人情噺の代表格!落語「芝浜(しばはま)」のあらすじや登場人物の紹介

芝浜 アイキャッチ

落語「芝浜(しばはま)」は、人情噺(にんじょうばなし)の代表格と言っても過言ではない演目です。
酒ばかり飲んで、しばらく仕事をしていない勝五郎が、妻に支えられて再出発する物語は、時代を超えて夫婦の絆を伝えてくれる、心温まるお話です。

この記事では、落語「芝浜」のあらすじや登場人物などについて、紹介しています。

目次
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落語「芝浜」とは

芝浜

落語「芝浜」は、夫婦愛を描いた古典落語の名作として知られています。

物語は、酒好きで怠け者の魚屋が主人公です。
彼は、偶然大金を拾い、そのお金で遊んで暮らそうと考えるのですが、妻の機転により、真面目に働き始めるというお話です。

すけさん

ちなみに、芝浜とは、東京都港区南部の今の本芝公園がある辺りです。
当時は、小規模の市場が、浜辺に立っていたそうです。

登場人物

主な登場人物

それでは、主な登場人物を紹介していきます。

主人公(勝五郎)

ちょんまげの男性

主人公の勝五郎。
魚屋で腕は良いのですが、大酒飲みで、しばらくまともに働いていません。

勝五郎は、ある時、大金の入った財布を拾います。

勝五郎の妻

江戸時代の女性

勝五郎の妻。
酒好きの夫をなんとか立ち直らせたいと考えています。

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あらすじ

あらすじ

それでは、落語「芝浜」のあらすじを紹介します。

主人公を魚河岸に行かせる妻

ここは、主人公(勝五郎)の家。
この主人公は、もともといい腕の魚屋でしたが、酒ばかり飲んで、しばらく仕事をしていません。

主人公の妻は、そんな夫を今日こそは仕事に行かせようと、朝早くから夫の仕事の準備をし、夫を起こす場面からこのお話は始まります。

お前さん、起きて。
起きなさいってば。

主人公

気持ちよく寝てるのになんだよ。

今日こそは、仕事に行ってもらいますからね。

妻の説得により、主人公は、芝の魚河岸(うおがし)へと向かいます。

すけさん

ちなみに魚河岸とは、魚市場のある河岸や、魚市場のことを指します。

魚河岸につき、財布を見つける主人公

ブツブツと文句を言いながら、魚河岸を目指して主人公が、歩いています。

主人公

こんなに早く起きて働かないといけないなんて、魚屋なんかになるんじゃなかったなぁ…

そうこうしているうちに、魚河岸に着くのですが、まだ一件の問屋も開いていません。
なぜだろうと考えていると、時刻を知らせる鐘の音が鳴り、妻が起こす時間を間違えていたことに気づきます。

帰るのも面倒なので、浜で一服することにします。

主人公

おや?
あれは、なんだ?

主人公が、ふと下を見ると財布が落ちており、なんとその中には、大金が入っていました。

主人公は、財布のお金でどんちゃん騒ぎ

大金を拾った主人公は、その財布を自宅に持って帰り、妻に伝えます。

主人公

おい!
大変だ!

どうしたんだい。

主人公

この財布をのぞいてみてくれ。

妻が財布をのぞいてみると、なんと中には四十二両もの大金が入っていました。

主人公

へへっ。
これで、遊んで暮らせるぜ。
今日は、宴会だ!

気が大きくなった主人公は、大勢仲間を呼んで、昼間から飲んだり食べたりどんちゃん騒ぎをします。

…。

そうして、夜は更けていき、主人公は眠りにつきます。

起きてみると、財布は拾っていないと言われる

お前さん、起きて。
起きなさいってば。

主人公

なんだよ、こんな朝早く。

今日こそは、仕事に行ってもらいますからね。

主人公

仕事?
なんで、あんな大金を拾ったのに、働かないといけないんだ。

大金?
なんのことだい?

主人公

昨日拾った財布のことだよ。
四十二両入ってただろ?

はぁ…
情けないねぇ。
貧乏すると、そんな夢を見るんだねぇ。

主人公

夢!?
そんなわけないだろう…!

どこにそんなお金があるってんだい。

確かに、主人公が家の中を探してみても、財布はどこにもありません。

主人公

確かにどこにも財布がねぇ。
金はないのに、飲み食いして借金作っちまったんだなぁ。

この一件で、主人公は自分自身が情けなくなり、お酒は一切飲まないと胸に誓います。

改心し、しっかりと働く主人公

お酒をきっぱりやめると決めた主人公は、心を入れ替えて、毎日真面目に働き始めます。
もともと良い腕の魚屋だったので、仕事も順調にいき、3年後には表通りにお店を構えるほどになりました。

その年の大晦日に、妻からのカミングアウト

そうして、財布を拾った夢を見た日から、3年後の大晦日、妻から話があると言われます。

ちょっとあんた、話があるんだよ。

主人公

話?
なんだい?

実は、これを見とくれ。

そう言うと妻は、財布を夫の前に出します。

主人公

これは、あの時の財布かい?
でも、お前は夢だって言ってたじゃないか!

夢じゃなかったんだよ、お前さん…

妻の話によると、拾ったお金を使ったことがわかると、罪に問われるかもしれないし、大金を持っていても夫がお酒に溺れてダメになると考え、大家に相談したところお金は奉行所へ預けたほうが良いとアドバイスを受けたとのことでした。

そして、妻は奉行所に拾った財布を預けていたのですが、財布の落とし主が現れず、持ち主不明で財布が妻の元へ帰ってきます。
財布はしばらく前に戻ってきていたのですが、言い出しにくいこともあり、大晦日の日まで黙っていたとのことです。

久しぶりに夫にお酒を出す妻

騙してたこと、怒ってるかい?

主人公

いいや。
お前さんのおかげで、俺はまともになれたよ。
ありがとうな。

そう思ってくれてるなら嬉しいよ。
頑張ってきたんだし、今日くらい、一杯やったらどうだい?

そう言って、妻は夫に熱燗を持ってきます。

主人公

これは、ありがてぇ!
それじゃ、さっそく…

そうして、主人公はお酒を口に運び、飲もうとするのですが、途中でやめてしまいます。
そして、次のセリフ。

主人公

ありがてぇんだが、よしとくよ。
また、夢になるといけねぇ。

この言葉がオチになり、このお話は終わります。

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まとめ

この記事では、落語「芝浜」の登場人物やあらすじについて紹介させていただきました。

この記事以外にも、落語をこれから楽しみたいという方向けに記事を作成していますので、こちらも参考にしてみてください。

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