古典落語の鉄板ネタ!落語「時そば」のあらすじ&オチを紹介

時そば アイキャッチ

落語「時そば」は、古典落語の中でも特に人気の高い演目です。
有名な演目なので、あらすじまで見ていただくと、落語に詳しくない方でも、なんとなく聞いたことのあるお話かもしれません。

この記事では、落語「時そば」の登場人物や、あらすじなどについて解説します。

目次
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落語「時そば」とは?

時そば

「時そば」は、古典落語の中でも特に有名な演目の一つです。

物語の舞台は、冬の屋台のそば屋です。
ある男がそば屋でそばを注文し、代金を支払う際に、巧妙に支払いをごまかすのですが、それを見ていた別の男が、それをマネて、別の蕎麦屋で代金をごまかそうとするお話です。

シンプルなお話で、落語初心者からベテランファンまで幅広く楽しめる作品です。

ちなみに、「時そば」は、上方落語(関西の落語)の「時うどん」というお話を、三代目柳家小さん師匠がそばに変えて、江戸落語に持ち込んだものです。

また、当時のそばの料金は、二八そばという言葉があるため、2×8=16から、16文という金額が相場でした。
もちろん、時そばに出てくるそばの料金も16文です。

登場人物

主な登場人物

それでは、時そばの主な登場人物を紹介していきます。

主人公

ちょんまげの男性

ある日そば屋に行くと、他の男が勘定をごまかしているのを目撃します。
それに関心し、自分も同じようにマネてみようとするのですが…

ずる賢い男

ずる賢い男

ずる賢い男で。お世辞や巧妙な手法などを用いて、そば屋の勘定を上手くごまかします。

そば屋の店主

そば屋の店主

屋台のそば屋の店主。
ずる賢い男に勘定をごまされてしまいます。

あらすじ

あらすじ

それでは、落語「時そば」のあらすじを紹介していきます。

そば屋にズル賢い男が訪れる

ある冬の寒い日…。
屋台のそば屋にある男が訪れます。

ズル賢い男

今日はよく冷えるねー。
しっぽくそばを、ひとつこしらえてくれ。

そば屋の店主

かしこまりました。

ズル賢い男

お前のとこの看板は、変わってるねぇ。
的に矢が当たってるから「当たり屋」か!
いい名前だねぇ。

そば屋の店主

看板を褒められたのなんか初めてですよ。
はい、出来上がりました。

ズル賢い男

お!もう出来上がったのかい!
早いねー。
江戸っ子は気が短いからねぇ。

そんな調子で、この男は、新品の割り箸や丼ぶり、そばの上に乗っているちくわが厚切りなことなど、とにかくそば屋のことを褒めちぎります。

男がそばを食べ終わり勘定をする

ズル賢い男

いやー、うまかった!
勘定は、16文かい?

そば屋の店主

はい。
16文でございます。

ズル賢い男

わかった!
今、小銭しか持ってねぇんだ。
落とさないように手を出してくれよ。

そば屋の店主

こうですかね?

ズル賢い男

そうそう。じゃあ乗せてくぜ?
1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ…
ところで、今は何時だい?

そば屋の店主

時間ですか?
九つです。

ズル賢い男

10、11、12、13、14、15、16っと!
ありがとう!
また来るよ!

その光景を見ていた主人公

主人公

たまたま見てたが、よく喋る客だったなぁ。
それにしても勘定の途中で、時間を聞くなんて変な野郎だなぁ。

そして、あることに気づきます。

主人公

むむっ!
今のやりとりをよく思い出してみると、あの野郎、九つを飛ばして、勘定を一文ごまかしてやがる!
俺もやってみてぇなぁ!

翌日、別のそば屋に向かう主人公

翌日の晩、主人公は昨日自分が見たことを真似しようと、小銭を持って、昨日とは別のそば屋に出かけます。

主人公

寒いねー。
しっぽくそば、ひとつこしらえてくれ。

別のそば屋の店主

おや?
今日は暖かいようですが、かしこまりました。

主人公

お前のとこの看板は変わってるねぇー
的に矢が…。当たってねぇや。
丸だけ書いてやがる。
丸屋。ああ、丸屋ね。

別のそば屋の店主

そうでございます。

主人公

江戸っ子は短期なんだ!
お!もう蕎麦が…。できてねぇなぁ。
まぁ、俺は、気が長い江戸っ子だから、全然待つよ。

と、こんな感じで昨日の男のように上手くそば屋のことを褒めることができません。
そのほかにも褒めようとしますが、そばは伸びきっていたり、割り箸は使い回しだったり、丼がひび割れていたりと、褒めるところがなかなか見つかりません。

勘定をする主人公

主人公は、昨日見た男のように上手く褒めることができませんでしたが、昨日の支払方法で、勘定をごまかそうと試みます。

主人公

褒めるところがないがしょうがねぇ。
アレをやってみるか!

別のそば屋の店主

お帰りですかい?

主人公

そうだよ。ご馳走様。
悪いが今、細かいのしかねぇんだ。
落ちないように手を出してくれ。

別のそば屋の店主

こうですかい?

主人公

そうそう。
1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ…
今、何時だい?

別のそば屋の店主

今ですか?
4つでございます。

主人公

あぁ、4つね。
5つ、6つ、7つ…
あれ…?

このように、そば屋を騙そうと試みますが、店に行く時間を間違えてしまい、自分の支払う勘定が多くなってしまうというオチで、このお話は終わります。

まとめ

この記事では、古典落語「時そば」の、登場人物やあらすじなどについて、紹介させていただきました。

他の記事でも、初心者におすすめの落語の演目や、おすすめの書籍などについて紹介しているので、参考にしていただけたらと思います。

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