怪談話なのに笑える!落語「お菊の皿(皿屋敷)」のあらすじやオチの紹介

お菊の皿 アイキャッチ

落語「お菊の皿(皿屋敷)」は、皿屋敷という怪談話をパロディにしたお話です。

ちなみに、皿屋敷は、日本各地に似たような話がありますが、播州姫路が舞台の「播州皿屋敷(ばんしゅう皿屋敷)」が有名だと思います。
お菊という女性の亡霊が、夜な夜な井戸で「1枚…、2枚…」と、お皿を数えているという、日本では有名な怪談話です。

この記事では、落語「お菊の皿(皿屋敷)」のあらすじやオチを紹介していきます。

目次
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落語「お菊の皿(皿屋敷)」とは

お菊の皿

落語「お菊の皿(皿屋敷)」は、怪談話の「皿屋敷」をパロディにした、古典落語の演目です。
怪談話をモチーフにしていますが、怖い内容ではなく、笑えるポイントがたくさんあるお話です。

ちなみに、冒頭でも少しお話しましたが、皿屋敷伝説は、日本各地にあるお話で、その中でも播州姫路の「播州皿屋敷」というお話が有名です。

また、大正5年に、岡本綺堂(おかもと きどう)が作った「番町皿屋敷」というお芝居も名作として知られています。

登場人物

主な登場人物

それでは、落語「お菊の皿」の登場人物を紹介します。

御隠居

御隠居

主人公やその友人たちに、番町皿屋敷のエピソードについて、教えてくれます。

主人公

ちょんまげの男性

このお話の主人公。
御隠居から、皿屋敷の怪談話を聞き、友人たちと幽霊が出ると言われる井戸に、興味本位で向かいます。

お菊さん

お菊さん

井戸で、夜な夜なお皿を数えている幽霊。
美人な幽霊として知られています。

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あらすじ

あらすじ

それでは、落語「お菊の皿」のあらすじを紹介します。

御隠居に皿屋敷の話を教えてもらう

とある御隠居が、主人公やその友人などと話しています。

主人公

なぁ、御隠居。
この前、知り合いに「番町の皿屋敷の話」について、知ってるかと聞かれて、知らないから「知らねぇ」って答えたら、笑われちまって恥をかいたんです。
番町皿屋敷って、どんな話なんですかい?

御隠居

番町皿屋敷だな。
教えてやろう。

御隠居に、番町皿屋敷とは、どんな話かと聞いてみると、次のような内容のお話でした。

昔、番町には、青山鉄山という旗本がいました。
そこに奉公に来ていたお菊という、とても美人な女性がいました。
鉄山の方から、お菊さんに何度も何度も言い寄るのですが、あっさりと断られてしまいます。
お菊さんには、亭主がいたので、「いくらお殿様が言うことでも、亭主がいるので、お受けすることができない」と言うのが、お菊さんが断った理由です。
鉄山は、断られたことに腹を立ててしまい、逆恨みをします。
この青山家には、代々伝わる「葵の皿の10枚組」という家宝があったのですが、これをしまっておくのが、お菊さんの役目でした。
ある時、鉄山は、この家宝の皿10枚のうちの1枚を抜き取って、9枚にしてしまいます。
そうして、お菊さんに皿を出すように命じますが、もちろん皿が1枚たりません。
これを鉄山は、「10枚あったはずなのに、なぜ無くなっているんだ」と、言いがかりをつけて、お菊さんを斬り殺し、井戸に放り込んでしまいます。
それ以来、夜になると、お皿を数えるお菊さんの霊が、井戸に現れる。というのが、番町皿屋敷というお話です。

ちなみに、番町とは、東京都千代田区にある一番町から六番町までの6つのエリアを指す言葉です。

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「美人な幽霊」を見にいきたくなる主人公

主人公

御隠居。話を教えてくれてありがとう。
んで、そのお菊さんってのは、相当な美人だったんだよな?

御隠居

あぁ。
類稀なる美人だったと言われているよ。

主人公

そんなに美人なら、俺も見にいきてぇな。
よし!見にいこう!

御隠居

やめときなさい。
お菊さんが、9枚目の皿を数えるのを聞くと死んでしまうと言われている。
8枚目を聞いても熱病でうなされて、6枚目ならなんとかまぁ、生きて帰れるって話だ。

主人公

よし!
じゃあ、6枚目まで聞いて逃げて帰ってくりゃいいんだな!

そうして、主人公とその友人たちは、夜にお菊さんが出ると言われる井戸へ行ってみることにしました。

お菊さんの井戸にやってきた主人公たち

お菊さんを見るために、主人公と友人たちは、お菊さんの井戸にやってきました。

主人公

あった!あの井戸だ!

しばらく待っていると、井戸の周りに青白い光がポッと出てきて、井戸の中から、お菊さんが現れます。

お菊さん

恨めしゅうございます…
鉄山殿…

主人公

出たー!!!
こ…怖いけど見てみよう…

び、美人だー!
本当に綺麗!!!!

お菊さん

1枚…
2枚…

主人公

始まった始まった!
6枚まで逃げるなよ…!

お菊さん

3枚…
4枚…
5枚…

主人公

そろそろだぞ…!
逃げる準備しておけよ…!

お菊さん

6枚…

主人公

逃げろーーーーー!!!!!!

そうして、主人公と友人たちは、一目散に逃げていきました。

翌日からも幽霊を見にいく主人公たち

主人公と友人たちは、なんとか逃げ切り、無事に戻ってくることができました。

主人公

なんとか逃げ切れたな…
それにしても、とんでもねぇ美人だったな…

よし!明日も見にいこう!

そんな調子で、また友人たちを連れて、翌日の夜からもお菊さんの井戸に行くのですが、少しずつ人数が増えてきます、
みんなでお菊さんの井戸に行っては、6枚まで数えるのを聞いて、逃げ帰るということを毎晩繰り返します。

そうこうしていると、美人な幽霊がいるという噂が、たちまち広がっていきます。

お菊さんの井戸が興行になる

日に日に見物の人数が増えていき、とある興行士がそのことに目をつけます。
興行士は、お上に許可をとって、10日間の興行を行うことを許されます。

そうすると、井戸の周りに桟敷席を置いたり、チラシを配ったり、前売り券を売ったりと、お菊さんの井戸の興行に向けて、準備をし始めます。

前売り券も完売し、公演前から大盛況です。

主人公

こりゃ、すげぇ賑わいだなぁ。
お菊まんじゅう、お菊もなか、お菊せんべいなんてのがある。

お菊せんべいって言っても普通のせんべいなんだろ?

友人A

これが、お菊せんべいは、一袋10枚入りって書いてるのに、買って数えると9枚しか入ってないらしいんだ!

主人公

ははっ!そりゃよく考えたね!

そうこう話しているうちに、どんどん人が集まり、お菊井戸の周りには、大勢の人が集まってきます。

お菊さんが登場…

そうこうしていると夜も更けていき、お菊さんが井戸から現れます。

お菊さん

恨めしゅうございます。
鉄山殿…。

1枚…
2枚…

主人公

よっ!
待ってました!

お菊さんは、いつものようにお皿を数えていきます。

お菊さん

4枚…
5枚…

主人公

そろそろだ!
おい!みんな逃げろ!

あれ?進めねぇ!
なんでだ!?

なんと、人が集まりすぎて混雑し、逃げることができなくなってしまっていたのです。

お菊さん

6枚…
7枚…
8枚…

主人公

9枚になっちまう!!
もうだめだ!!
死んじまう!!

主人公が、もう助からないと覚悟を決めた瞬間。

お菊さん

9枚…
10枚…
11枚…

主人公

え?

そこから、12枚、13枚と続けて数え始めます。

お菊さん

17枚…
18枚…

おしまい。

主人公

最後は、ダジャレかよ!

お菊さん!お菊さん!

お菊さん

はい?

主人公

お菊の皿は、9枚って決まってんだよ。
なんで今日は18枚なんだい?

そう聞くと、お菊さんから次のような返答が帰ってきます。

お菊さん

わかんないかね。
明日、お休みなの。

このように、お菊さんの興行が明日休みのため、二日分のお皿を数えた。というオチでこのお話は終わります。

まとめ

落語「お菊の皿(皿屋敷)」は、皿屋敷という怪談話をパロディーにした古典落語の演目です。
怪談話が、モチーフですが、怖い内容はなく、笑いどころも多い演目なので、落語初心者にもおすすめの演目です。

他にも、落語をこれから楽しみたいという方に向けて、記事を作成していますので、参考にしてください。

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