【産地別】世界のコーヒー豆の味と特徴をわかりやすく解説

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コーヒー豆 産地 特徴

コーヒー豆は「育つ地域によって味や香りなどの特徴が異なる」と聞いたことはありませんか?

実はコーヒー豆は、育つ場所の気候や環境によって、香りやコク、酸味などが変わります。
たとえばブラジルはまろやかで香ばしく、エチオピアはフルーティーで華やか。
同じ「コーヒー」でも、様々な個性があるんです。

この記事では、世界の代表的な産地をわかりやすく紹介しながら、味の傾向や特徴を解説します。
読んだあとには、「次はこの豆を飲んでみよう」と思える一杯がきっと見つかるはずです。

目次
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コーヒー豆の産地が味に与える影響と品種について

収穫したコーヒー豆

コーヒー豆の味わいは、豆がどんな環境で育つかによって変わります。
ここでは、おいしいコーヒー豆を育てる環境について解説します。

おいしいコーヒー豆が育つ環境とは?

おいしいコーヒー豆が育つには、自然の様々な条件がほどよく整っていることが大切です。

例えば、気温は20℃前後が理想とされ、昼夜の寒暖差があると豆がゆっくり育ち、クオリティが高く仕上がります。

また、年間の降雨量は1,500〜2,000mm程度が適しており、日差しは強すぎず、木の陰などでやわらかく日光を受ける環境が好まれます。

肥えた土や水はけの良い土地も、豆に必要な養分をしっかり届けてくれるため、美味しいコーヒー豆を作るために必要な条件です。

こうした自然条件がそろう場所で、香り高く味わい深いコーヒー豆が育ちます。

コーヒーベルトって?おいしい豆が採れる地域

コーヒーベルト

コーヒーベルトとは、赤道をはさんで北緯25度から南緯25度の間に広がる、コーヒー栽培に適した地域のことを指します
世界で流通するコーヒー豆の多くは、この帯状のエリアで生産されています。

先ほど説明したように、コーヒー栽培には気温や降雨、土壌などの条件が大きく関わります。
コーヒーベルトには、そうした条件が自然に整った土地が多く、まさにコーヒーづくりに理想的な環境がそろっているのです。

このエリアの中でも、それぞれの地域ごとの気候や風土が、多種多様なコーヒーの個性を生み出すのです。

コーヒー豆の主な品種と特徴

世界で栽培されているコーヒー豆は、大きく分けてアラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種の3種類があります。
この3つの品種について、その特徴を解説します。

アラビカ種の特徴

アラビカ種は、世界で最も多く栽培されているコーヒーの品種で、全体の約6〜7割を占めます。
香りが豊かで酸味と甘みのバランスに優れた上品な味わいが特徴です。
ただし、リベリカ種やロブスタ種に比べて病害に弱く、栽培には丁寧な管理が必要とされます。

ロブスタ種(カネフォラ種)の特徴

ロブスタ種(カネフォラ種)は、アラビカ種に次いで多く栽培されている品種です。
病害に強いため、生産が安定しているのが特徴です。
しかし、苦味が強いことや独特の臭いがあることから、ブレンドの材料や缶コーヒーの増量に利用されます

リベリカ種の特徴

リベリカ種は、西アフリカ原産のコーヒーで、生産量は世界全体のわずか数%ほどと非常に少ない品種です。
病害に弱く、栽培や収穫にも手間がかかるうえ、味もアラビカ種やロブスタ種に比べて劣るとされています。
そのため市場で流通することはほとんどなく、生産地周辺で消費されることが多い品種です。

世界のコーヒーの産地と特徴

中東のコーヒー豆栽培風景

コーヒー豆は、育つ地域の気候や土壌、標高の違いによって、酸味やコク、香りが変化し、それぞれの個性を生み出します。
ここでは、世界の代表的な産地ごとに、それぞれの味の傾向や特徴を紹介します。

中南米エリア

中南米エリア

中南米のコーヒーの産地について解説します。

ブラジル

ブラジルは世界1位のコーヒー生産国で、世界の生産量の3割を占めています。

ブラジルの国土は広く、その広大な土地の中に多様な気候の地域があり、小規模農園から大規模生産者まで幅広く存在するため、コーヒーの味や香りも実に多彩です。

ブラジルのコーヒー豆は、苦味と酸味のバランスがよく、まろやかな味わいが特徴で、ナッツやチョコのような香ばしさを感じます。

クセが少なく飲みやすいため、ブレンドのベースとしてもよく使われています。
初心者でも飲みやすく、世界中で親しまれている定番の産地です。

コロンビア

コロンビアは、世界第3位のコーヒー生産国です。
国土の半分ほどが山岳高原地帯で、昼夜の寒暖差もあるため、コーヒー栽培に適した環境が整っています。

コロンビアのコーヒー豆は、マイルドで酸味と甘みのバランスがよいことが特徴です。
クセが少なく飲みやすく、エスプレッソとの相性も良いコーヒーとして世界中で親しまれています。

グアテマラ

グアテマラは、高品質なコーヒーで有名な国です。
火山の多い地形と肥沃な土壌、そして昼夜の寒暖差が、香り高く味わい深いコーヒーを育てます。

高山地帯から平地まで、様々な環境でコーヒー豆の栽培が行われており、産地によって個性が異なります。

香り豊かで奥行きのある味わいがあるので、コクや重厚な味わいのコーヒーを好む人におすすめです。

コスタリカ

コスタリカは、高品質で香りが良い「アラビカ種」以外の生産を禁止するなど、中米の中でも品質管理が特に厳しい国です。

そのため、安定したクオリティのコーヒーを生産する産地として知られています。
火山灰を含む肥沃な土壌と、高地の冷涼な気候など、コーヒー栽培に適した自然環境も強みです。

苦味が控えめで、果実のような酸味があるのがコスタリカのコーヒーの特徴です。

日本への輸出は多くありませんが、見かけたらぜひ一度味わってみてください。

パナマ

パナマは、中米の南に位置し、昼夜の寒暖差が大きく、乾季と雨季のバランスが良いなど、コーヒー栽培に理想的な環境が整っています。

2004年の国際品評会で、エスメラルダ農園の「ゲイシャ」という品種のコーヒーが、当時の世界最高価格で落札されたことをきっかけに、パナマ産コーヒーは世界的に注目されるようになりました。

「ゲイシャ」は、花のような香りと柑橘系のフレーバーが特徴で、透明感のある華やかな味わいが特徴です。

一度飲むと印象に残る特別なコーヒーとして、多くの愛好家に親しまれています。

アフリカ・中東エリア

アフリカ・中東エリア

アフリカ・中東エリアのコーヒーの産地について解説します。

エチオピア

エチオピアは、コーヒー発祥の地といわれる国です。
世界で最も古くからコーヒーが飲まれ、現在も野生のコーヒーノキが自生しています。

フローラルで華やかな香りや、紅茶を思わせる繊細な味わいが特徴で、世界中の愛好家からも高く評価されています。

個性豊かな香りを楽しみたい人におすすめの産地です。

ケニア

ケニアは、アフリカを代表する生産国のひとつです。
ケニアのコーヒー豆は、強い酸味としっかりしたコクを併せ持ち、果実のようなジューシーさが特徴です。

ケニアの豆は「ケニアAA」など、英語表記がされていることがあります。
これは、ケニアでは豆の大きさで格付けされていることが理由で、「AA」と呼ばれる大粒の豆は高い評価を受けています。

カシスやベリー系など爽やかなフレーバーを好む人におすすめのコーヒー豆です。

タンザニア

タンザニアは、アフリカの中でもエチオピアやケニアと並ぶコーヒーの産地です。
アフリカ最高峰のキリマンジャロ山のふもとで栽培されるコーヒーは、「キリマンジャロ」と呼ばれ、世界的にも有名です。

タンザニアのコーヒー豆は、ほどよい酸味とコクのバランスがよく、すっきりとした後味が特徴です。

クセが少なく飲みやすいので、日本でも人気が高く、喫茶店などで広く親しまれています。

アジア・太平洋エリア

アジア・太平洋エリア

アジア・太平洋エリアのコーヒーの産地について解説します。

インドネシア

インドネシアは、世界第4位のコーヒー生産国で、特に「マンデリン」などの銘柄で知られています。

火山が多く、火山灰を含む肥沃な土壌がコーヒー栽培に適しており、独特の風味を生み出します。

マンデリンは、深みのあるコクと厚みのあるボディが特徴で、飲みごたえのある味わいです。
マンデリン以外の豆は、スパイシーさを感じるものもあります。

まろやかな口当たりでミルクや砂糖との相性も良く、アレンジドリンクにもおすすめです。

ベトナム

ベトナムは、ブラジルに次ぐ世界第2位のコーヒー生産国です。

「ロブスタ種」と呼ばれる品種が主流で、しっかりとした苦味と重厚なボディが特徴です。

ミルクを入れても負けない力強さがあり、現地ではコンデンスミルクを加えた「ベトナムコーヒー」として親しまれています。
濃厚な味わいのため、カフェオレなどミルクを入れる飲み方にもよく合います。

初心者におすすめの豆の産地と選び方

いろんな種類のコーヒー

それでは、初心者におすすめの豆の産地と選び方を解説していきます。

焙煎度を決める

焙煎度による酸味と苦味

コーヒーを選ぶときは、まず「焙煎度」を自分の好みに合わせてみましょう
一般的に「浅煎りの豆」は酸味が強くフルーティー、「深煎りの豆」は苦味とコクが際立ち、濃厚な味わいと言う特徴があります。

自分が「酸味が好きか、苦味が好きか」を考えることで、自分に合う味の方向性が見えてきます。

すけさん

ホップの効いたビールやビターチョコ、魚の焦げ目が好きな方は「苦味寄りの味覚」
ナチュラルワインや発酵食品、フルーツの酸味が好きな方は「酸味寄りの味覚」の可能性があるので、好みに合わせて焙煎どを決めましょう。

豆の産地を決める

好みの焙煎度がわかったら、次は産地の特徴を意識して豆を選んでみましょう
最初は難しく考えなくても、 少しずついろんな産地や焙煎度の組み合わせを試しながら「自分だけの一杯」を探してみましょう。

おさらい:産地ごとの味の特徴まとめ

産地味の傾向・特徴飲みやすさ
ブラジル苦味と酸味のバランスが良く、まろやか。ナッツやチョコのような香ばしさ。クセが少ない
コロンビアマイルドで酸味と甘みのバランスが取れた上品な味わい。クセが少ない
グアテマラ香り豊かで深みがあり、コクと甘みが調和。普通(ややコクが強い)
コスタリカ果実のような酸味とクリーンな後味。日本での流通は少ない。普通(爽やか系)
パナマ華やかでフルーティー。ゲイシャ種に代表される繊細で香り高い味わい。個性が強い
エチオピア花やベリーのような香り。華やかでフルーティーな酸味。個性が強い
ケニア力強い酸味とジューシーな果実感。カシスやベリー系のフレーバー。個性が強い
タンザニア酸味とコクのバランスが良く、すっきりとした後味。クセが少ない
インドネシア深みのあるコクとスパイシーな香り。厚みのあるボディ。濃厚
ベトナム強い苦味とパンチのあるボディ。ミルクと好相性。濃厚

まとめ

コーヒー豆の味わいは、育つ環境や品種によって大きく変わります。
気候や標高、土壌などの条件が整った「コーヒーベルト」では、世界中で個性豊かな豆が栽培されています。

ブラジルやコロンビアはクセが少なく、まろやかで飲みやすい味。
エチオピアやケニアはフルーティーで香りが華やか。
インドネシアやベトナムは深いコクと苦味があり、しっかりとした味わいが楽しめます。
同じコーヒーでも、焙煎度や産地の違いで印象が大きく変わるのが魅力です。

まずは、「酸味」「苦味」「コク」など、自分がどんな味を好むのかを意識してみましょう。
そして、少しずつ産地や焙煎度を変えて飲み比べていくと、自分にぴったりの一杯に出会えます。

世界中のコーヒーを知ることは、味の旅をするようなもの。
その日の気分で豆を選びながら、コーヒーの奥深い世界をゆっくり楽しんでみてください。

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