落語「ちはやふる」のあらすじと、本当の和歌の意味についても解説

千早ふる アイキャッチ

落語「ちはやふる」は、とある横丁の御隠居の知ったかぶりをテーマにした笑い話です。
百人一首や漫画などで「ちはやふる」と言う単語だけは、なんとなく聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

この記事では、落語「ちはやふる」の登場人物やあらすじを紹介した後で、和歌の意味についても紹介します。

目次
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落語「ちはやふる」とは

ちはやふる

冒頭でもお話ししましたが、落語「ちはやふる」は、御隠居の知ったかぶりをテーマにした笑い話です。

百人一首をしていたところ、娘から「千早振る…」から始まる和歌の意味を聞かれ困った男が、御隠居に相談に行くのですが、御隠居もこの和歌の意味を知らず、知ったかぶりで適当な意味をつけて説明してしまうというお話です。

主な登場人物

主な登場人物

それでは、落語「ちはやふる」の主な登場人物について紹介します。

御隠居

御隠居

とある横丁の御隠居。
自称博識人であり、そのためプライドの高い人物です。

このお話でも、和歌の意味について聞かれるのですが、知らないとは言い出せず、知ったかぶりをしながら聞かれたことについて答えていきます。

御隠居に質問に来た男性

ちょんまげの男性

娘と百人一首をしていたところ、その言葉の意味ついて聞かれましたが、自分自身もその意味がわからず、博識なことで有名な御隠居のところに和歌の意味を聞きにいきます。

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あらすじ

あらすじ

それでは、落語「ちはやふる」のあらすじを紹介していきます。

とある男が御隠居のところに和歌の意味を聞きにくる

とある男が、横丁の御隠居のところを尋ねてきます。

主人公

おーい!先生!

御隠居

なんだい?

ちょっと御隠居に聞きたいことがあるんだ。

御隠居

私は物知りだからな。
なんでも聞きなさい。

娘が百人一首にハマっているんだが、歌の意味を聞かれて答えることができなかったんだ。
次の和歌の意味を教えてもらいに来たんだ。

男は、百人一首をしていた娘から、ある和歌の意味を聞かれ答えることができなかったため御隠居のところに来たということです。

ちなみにその和歌とは次のようなものです。

千早ふる 神代(かみよ)もきかず 竜田川(たつたがわ) からくれなゐに 水くぐるとは

この歌の意味を知ってるかい?

そう聞かれますが、御隠居も実はこの歌の意味はわかりません。
ですが、プライドが高い御隠居は、知らないとは言えず、知ったかぶりをしてしまいます。

竜田川というお相撲さんの話をする御隠居

和歌の意味がわからない御隠居でしたが、竜田川という力士についてのお話をし始めます。

御隠居

教えてあげよう。
昔、竜田川という名前の相撲取りがいたんだ。
女断ちをして、一生懸命頑張って、大関にまで登り詰めたんだ。

それはすごいですね。

御隠居

大関になったお祝いに、お客さんに連れられて、吉原の花見に行ったんだ。
竜田川は、そこで見た「千早太夫(ちはやだゆう)」のことを気に入ったらしいんだ。

そうなんですね。

御隠居

うむ。
なんだが、千早太夫からは、「相撲取りは、嫌でありんす」と振られてしまったらしくてな。
そこで、妹女郎(いもうとじょろう)の神代太夫(かみよだゆう)のところに行ったんだが、神代太夫からも「姉さんが嫌なものは、私も嫌でありんす」と言われたらしくてな。

天下の大関が2人に振られちまったんですか!
情けないですね!

御隠居

そうなんだ。
そして、落ち込んでしまった竜田川は、田舎に帰って豆腐屋になったんだ。

え!?
天下の大関が豆腐屋!?

御隠居

うん。
それから数年後、竜田川が次の日の仕込みをしていたところ、貧しい女がやってきて、「おからを分けてください」と言ってきたんだが、なんとその女は、なんと落ちぶれた千早太夫だったんだ。

え!?
全盛の花魁がそんなことになるんですか!?

御隠居

千早太夫に振られた竜田川は、おからをあげなかった。
そして、「お前にはやらぬ!あっちへ行け!」とポーンとついたところ、よろめいた千早太夫は、庭にあった井戸に身を投げられちまったんだ。

え!
じゃあ、そのあとはどうなっちまったんですかい!?

御隠居

どうもこうもねぇよ。
この話は、ここでおしまいだ。

ちょっと待ってくださいよ。
一体なんだったんですか、今の話は?

ここから、御隠居は今の話を和歌の意味について解説していきます。

和歌の意味を解説し始める御隠居

話の流れで、和歌の意味を御隠居が解説していきます。

御隠居

わからないやつだねぇ。
今のが和歌の意味だよ。

あ!
今のがですか!?

御隠居

そうだよ。
まずは、千早太夫が竜田川のことを振るだろ?
そして、神代太夫のところに行っても言うことを聞かなったんだから、「千早ふる 神代もきかず 竜田川」となるだろ?

なりますね!

御隠居

そして、千早太夫がおからをくれと言ってもくれなかっただろ?
だから、「からくれない」だ。

「から」っていうのは、おからのことだったんですね!

御隠居

その後に井戸の中に入ったんだから、「水くぐる」っていうことだよ

なるほど!井戸に入ったから、水くぐる!
でも、最後の「とは」って言うのは、なんですか?

御隠居は、「水くぐるとは」の「とは」の意味について男に聞かれます。
そして最後に一言。

御隠居

「とは」っていうのは、千早の本名じゃ。

千早というのは源氏名で、本名が「とは」であったという、セリフがオチとなりこの落語は終わります。

すけさん

笑いという点では、少し弱いオチかもしれませんが、御隠居の話では、途中で千早太夫が貧しくなっており、おそらく吉原をやめて、本名で暮らしているであろうことを考えると、伏線を見事に回収したオチだと思います。

本当の歌の意味

それは、「千早ふる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くぐるとは」の本当の歌の意味について、紹介します。

和歌の本当の意味は、「神々の時代にも聞いたことがない。竜田川が鮮やかな紅色に、水がくくり染めされるなんて」という意味で、川面が紅葉で美しく染まった景色のことを詠んだ歌です。

まとめ

この記事では、落語「ちはやふる」のあらすじや、本当の和歌の意味ついて紹介しました。

「ちはやふる」以外にも落語に関することを紹介していますので、他の記事も参考にしてみてください。

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