コーヒーを趣味にしたいけど「豆の選び方が難しそう」「道具は何を選べばいいんだろう?」と、なんだか難しそうだなと感じていませんか?
難しそうなイメージがあるコーヒーですが、最初のきっかけさえ掴んでしまえば、手軽に楽しむことができるうえ、どこまでも探求できる奥が深い趣味です。
この記事では、豆の選び方から必要な器具、初心者向けのコーヒーの淹れ方などをわかりやすく解説しています。
まずは気軽にコーヒーを趣味にする第一歩を踏み出しましょう。
コーヒーを趣味にする魅力とは?

コーヒーを趣味にする魅力やメリットを7つ紹介します。
日常にちょっとした贅沢を味わえる
コーヒーの魅力のひとつは、日々の生活の中で気軽に「ちょっとした贅沢」を味わえることです。
決して、高級レストランのような豪華な贅沢ではありませんが、自分のために淹れた一杯は、ささやかなご褒美になります。
コーヒーが普段の生活に彩りを添えてくれるでしょう。
丁寧な暮らしでライフスタイルを豊かにできる
忙しい日々の中でも、コーヒーを淹れる時間を持つことで、穏やかな「丁寧な時間」を過ごすことができます。
豆を挽き、お湯を注ぐというちょっとしたひと手間が、生活にリズムを与え、心を落ち着かせてくれます。
「平日は忙しい」という方は、もちろんお休みの日だけでも大丈夫です。
コーヒーを趣味にして「日々の暮らしを楽しむ感覚』を育んでいきましょう。
五感で楽しめる
コーヒーは五感を使って楽しめる趣味です。
豆を挽くときに響くゴリゴリという音、立ちのぼる芳しい香り、お湯を注ぐときにふくらむ泡の美しさ。
カップを手にしたときの温もり、口に含んだ瞬間に広がる酸味や苦味のバランス。
それぞれが調和し、コーヒー飲む時間を特別なひとときに変えてくれます。
五感を通して楽しめるからこそ、コーヒーは「ただ飲むだけ」では終わらない、奥深い魅力を持っています。
自分好みの味や器具を探求できる
コーヒーの魅力は、自分好みの一杯を探求できる点です。
例えば、豆の産地や焙煎度合いによって、酸味が際立つもの、コクが深いものなど味わいは大きく変わります。
また、同じ豆を使った場合でも、使用する器具や抽出方法で個性も変わり、違った表情を見せてくれます。
最初は身近なスーパーの豆や安くてシンプルな道具からで十分です。
好みに合わせていろいろ試しているうちに、自分だけの「お気に入りの一杯」に出会うことができるでしょう。
コーヒーを探求する過程そのものが、知的好奇心を刺激してくれ、趣味としての楽しさを広げてくれます。
少額で気軽に始められる
コーヒーは、趣味としてのハードルが高いと思われがちですが、意外とそんなことはありません。
高価な器具や特別な知識がなくても、スーパーで手に入る豆と簡単な器具があれば十分に楽しめます。
例えば、「ドリップ」や「フレンチプレス」という抽出方法を選ぶのであれば、手ごろな価格の道具もたくさんあり、数千円程度で道具を揃えることもできます。
少しずつ必要な道具を揃えながら、自分のペースでステップアップしていけば大丈夫です。
まずは気軽に、お金をかけずに試してみましょう。
外食やカフェ巡りが楽しくなる
コーヒーを趣味にすると、外食やカフェ巡りの楽しみ方も変わってきます。
自分でコーヒーを淹れるようになると、自然と豆の産地や焙煎度、淹れ方に目が向くようになり、カフェで飲む一杯も「これは深煎りかな?」「このお店はどんな器具を使っているんだろう」と気づきが増えていきます。
同じコーヒーでもお店ごとに個性があるので、それぞれのお店の個性を感じてみるのも楽しい時間です。
趣味を通じてコミュニケーションが広がる
コーヒーを趣味にすることで、人とのつながりが自然に広がります。
自宅に友人を招いて自分で淹れたコーヒーをふるまえば、それだけで会話が盛り上がりますし、友人と「次はどの豆にしようか」と一緒に選ぶのも楽しいのではないでしょうか。
また、カフェ巡りを通じて同じ趣味を持つ人と出会えたり、SNSでコーヒーの写真を投稿すれば共感や交流が生まれます。
コーヒーは一人で楽しむこともできますが、ライフスタイルに取り入れることで、自然と人とのつながりを豊かにしてくれます。
コーヒーを趣味にするデメリット

コーヒーは、魅力の多い趣味ですが、注意しておきたい点についても解説します。
カフェインの摂りすぎに注意
コーヒーを趣味にするうえで気をつけたいのは、カフェインの摂取量です。
カフェインには集中力を高めたり気分をリフレッシュさせる効果がありますが、飲みすぎると心拍数が上がったり、眠りが浅くなる原因になることがあります。
特に体質的にカフェインに敏感な人は、1日に何杯も飲むと頭痛や不安感につながることもあるため注意が必要です。
コーヒーを楽しむなら「1日2〜3杯まで」など、自分なりの基準を決めて飲むと安心して続けられます。
夜に飲みたい人にはデカフェという選択肢
「寝る前にもコーヒーを飲みたいけれど眠れなくなるのが心配…」という人には、デカフェやカフェインレスコーヒーと呼ばれるものがおすすめです。
デカフェやカフェインレスコーヒーは、カフェインの量が少ないコーヒーの種類で、スーパーやネットショップで手軽に購入できます。
コーヒーの始め方

ここからは、豆の選び方や購入方法、初心者におすすめの淹れ方などについて、わかりやすく解説していきます。
初心者向け。やさしい豆の選び方(浅煎りと深煎りの違い)

コーヒー豆を選ぶ要素として「コーヒー豆の産地」「豆の品質・グレード」「焙煎度合い」などたくさんの要素がありますが、まずは「浅煎り」「深煎り」などの焙煎度から選んでみましょう。
浅煎りは豆の酸味が強く、フルーティーで爽やかな味わいが特徴です。
一方で深煎りは苦味やコクが際立ち、しっかりとした味わいになります。
あなたは、酸味と苦味どちらが好きですか?
味覚の傾向を知るには、普段の好みを参考にするとわかりやすいです。
例えば、ホップの効いたビールやビターチョコが好きな人は苦味寄り、ナチュラルワインや発酵食品が好きな人は酸味寄りの可能性が高いでしょう。
苦味寄りの味覚の方は深煎りの豆を、酸味寄りの味覚の方は浅煎りの豆を選んでみましょう。
そこから、もっと苦味を抑えたコーヒーが良い、もっと酸味が強くても良いなど、少しずつ調整してお気に入りの豆を見つける方法がおすすめです。
コーヒー豆はどこで買う?

コーヒー豆は、身近なスーパーから専門店、ネットショップまで、さまざまな場所で手に入ります。
身近なところだと、無印良品やカルディなどでも販売されています。
スーパーが購入しやすいと思うのですが、もう少しこだわりたい人は、コーヒー専門店や焙煎所に足を運ぶのもおすすめです。
店員さんに好みを伝えれば、味の特徴や淹れ方のアドバイスをしてもらえることもあります。
お店でのコミュニケーションが苦手な人は、ネットショップで産地や焙煎度を比較しながら購入するのも良いでしょう。
自分の性格やスタイルに合わせて、まずはコーヒー豆を購入してみましょう。
まずは、挽いた豆を買うのがおすすめ

ここまで、豆の買い方を解説してきたのですが、まだ購入するのは少し待ってください。
コーヒー豆は「挽く前の豆を買うべきか、挽いた後の粉を買うべきか」という点について、お話します。
結論から言うと、最初のうちは挽いた豆(粉)を買うのがおすすめです。
もちろん、コーヒー豆を買って、自宅で挽きたての豆を使った方が、味も香りも豊かで美味しく仕上がります。
しかし、ミル(豆を挽く道具)は、道具の中でも特にコーヒーの味や香りを左右するアイテムです。
中途半端な安価なものを買っても、美味しいコーヒーを飲むことはできません。
ですので、買うのであれば、ある程度高価で高性能なミルを選ぶことをおすすめしています(このことについては、後でもう少し詳しく解説します)。
初心者のうちは無理にミルを買う必要はありません。
まずは、お店で挽いた豆を購入し、コーヒーを趣味として続けられそうだと感じたら、良いミルを購入するのが良いでしょう。
ちなみに、挽いたコーヒーは、7〜10日をすぎると味が落ちてしまうので、その期間に飲み切れる量を買うのがポイントです。
初心者におすすめの淹れ方はフレンチプレス

「コーヒーを淹れる」というと、多くの人がドリップという方法をイメージすると思います。
しかし、個人的にビギナーの方にはドリップではなく、フレンチプレスという抽出方法をおすすめしています。
そのことについて解説していきます。
フレンチプレスとは?

フレンチプレスとは、専用の器の中にコーヒー粉を入れ、お湯を注ぎ、数分待ってから金属フィルター付きのプランジャーを押し下げるだけで抽出できる方法です。
おしゃれで、なんだか難しそうな見た目をしていますが、操作も直感的で、初心者でも扱いやすいのが特徴です。
この淹れ方だと、コーヒー本来のオイル分や風味も残るため、より豆の個性を感じやすい淹れ方という点もポイントです。
初心者にフレンチプレスをすすめる3つの理由

「フレンチプレスをビギナーの方におすすめする理由3つ」を解説していきます。
ドリップよりも技術がいらない(味が安定しやすい)
多くの人が「コーヒーを淹れる」と聞くと、ドリップコーヒーをイメージするのではないでしょうか。
日本では特に馴染み深い方法ですが、実はお湯の注ぎ方やスピードによって味が大きく変わるため、意外と技術を必要とする抽出方法です。
そのため、初心者には少しハードルが高く、美味しく淹れられるようになるまで練習が必要です。
それに対してフレンチプレスは「粉とお湯を合わせて数分待ち、プレスするだけ」と工程が非常にシンプルです。
量と時間などを守れば、誰が淹れても味のブレが少なく、安定した味を楽しむことができます。
必要な道具がシンプル
フレンチプレスは器具の数が少なく、ポットと本体さえあれば抽出が可能です。
ペーパーフィルターなど、他の消耗品を買い揃えなくても、コーヒーを淹れることができます。
初期投資も抑えられるので、初心者でも気軽にコーヒーを始められる点が大きな魅力です。
豆本来の風味を楽しめる
フレンチプレスでは、ペーパーフィルターではなく、金属フィルターを使います。
ペーパーよりも、ろ過するフィルターの目が粗いため、コーヒー本来のオイル分や香り成分がそのまま抽出されます。
ペーパーフィルターに比べて豆の個性をダイレクトに感じやすく、コーヒー本来の味を味わえるのが特徴です。
フレンチプレスのデメリット

フレンチプレスは、初心者にも簡単な方法ですが、いくつかデメリットもあります。
まず、金属フィルターを使うため、細かいコーヒー粉がカップの底に残りやすいという特徴があります。これを「微粉」と呼びますが、人によっては口当たりがざらつくように感じることもあります。
ポットのコーヒーを少し残してカップに注ぐことで、微粉がカップに入らないようにある程度対策することができます。
また、フレンチプレスは、ドリップと違い、コーヒーオイルがそのまま抽出されます。
コーヒーオイルがあることで、コクや風味は豊かになるのですが、「この後味が苦手だ」と感じる人もいます。
あっさりとしたクリアな味を好む人には、ペーパードリップの方が合っているかもしれません。
とはいえ、このデメリットは「フレンチプレスならではの個性」とも言えます。
自分に合うかどうか、一度実際に試してみるのがおすすめです。
フレンチプレスの淹れ方をざっくり解説

フレンチプレスの魅力は、シンプルな手順で美味しいコーヒーが淹れられる点です。
コーヒー1杯分の淹れ方は、以下の通りです。
器具に粉を入れる

コーヒー粉を約10〜12g(1杯分)を用意します。
挽き方は、粗挽きがおすすめ。
フレンチプレスの器具の中に粉を入れたら、軽くゆすって平らにならします。
タイマーをセットし、お湯を注ぐ

タイマーを4分にセットし、お湯(90〜95℃が目安)を、粉全体にまんべんなく注ぎます。
このタイミングで、タイマーもスタートさせましょう。
お湯の量は1杯あたり160〜200mlが目安です(コーヒー粉とお湯が、だいたい1:16になるように)。
蓋をしてプランジャーをセット

蓋をして、プランジャーをセットします。
このとき、プランジャーはまだ下ろさないでください。
4分経ったら、プランジャーを下ろす

4分経ったら、ゆっくりとプランジャーを下ろします。
勢いよく下ろすと、器具の中でコーヒーの粉が舞ったりすることがあるので、注意が必要です。
カップに注ぐ

コーヒーをカップに注ぎます。
器具の底には微粉がたまっているため、最後まで注ぎ切らずに少し残すと、微粉がカップに入りにくいです。
そのため、口当たりがすっきりします。
初心者におすすめの器具

ビギナーにおすすめの器具を紹介していきます。
コーヒーミルは必要?

コーヒーを趣味にしようと思ったとき、「やっぱり豆をミルで挽いてみたい!」と考える方も多いでしょう。
豆を挽く音や香りには特別な雰囲気があり、おしゃれな印象もありますよね。
しかし、結論から言うと、初心者のうちは必ずしもミルは必要ありません。
というのも、コーヒーミルは器具の中でも味への影響が大きく、性能によって仕上がりが大きく変わってしまうからです。安価なミルだと粒の大きさが揃わず、微粉が出てしまい、味が安定しにくくなります。
そのため、まずはお店で挽いてもらうなどして、粉で販売されているコーヒーを買って試すのがおすすめです。
そして「これからも趣味として続けたい」と感じたら、高性能ミルを購入してみましょう。
直前に挽いた豆で淹れる一杯は、格別の味わいです。
おすすめは、家庭用最強と名高いカリタの「ナイスカットミルG」です。
残念ながら生産終了していますが、2025年10月時点ではAmazonなどでは在庫が残っており、購入可能です。
もしも「ナイスカットミルGが買えなかった…」という方は、同じカリタというメーカーの「ネクストG2」がおすすめです。
ナイスカットミルGもネクストG2も、YouTubeなどでバリスタの方がおすすめしており、業務用としても利用可能なハイスペックなミルです。
フレンチプレスに必要な器具

今回は、ビギナーにおすすめの抽出方法「フレンチプレス」に必要な器具を紹介します。
フレンチプレス
まず欠かせないのはフレンチプレス本体です。
容量は一人用の300ml程度から、大人数向けの1Lサイズまでありますが、初心者には1〜2杯分を淹れられる350ml前後のサイズが扱いやすいでしょう。
おすすめは、ボダムのロングセラー商品「シャンボール フレンチプレス」。
北欧らしい洗練されたデザインやクラシカルな雰囲気が大好きな一品です。

ケトル
お湯を注ぐためのケトルも必要です。
ドリップと違って繊細な注ぎ分けは不要なので、家庭用の普通のやかんでOKです。
「今後、ドリップも試したい」「フレンチプレスを買ってもまだ予算に余裕がある」という方は、細口ケトルをこのタイミングで購入しても良いのではないでしょうか。
スケールとタイマー
フレンチプレスで、より味を安定させるためには、粉とお湯の量、そして抽出時間を管理することが大切です。
0.1g単位で計れるスケール(はかり)と、タイマーがあれば、初心者でも安定した味を出すことができます。
タイマーは、時間が分かれば良いだけなので、スマホや100均のもので問題ありません。

コーヒを淹れるのにハマったら、ドリップにもチャレンジしてみたいという方は、ハリオの「ドリップスケール」もおすすめです。
スケールとタイマーが一緒になっており、コーヒーを抽出しながら、重さと時間を見ることができます。


まとめ
コーヒーは、日常を少し贅沢にしてくれる趣味です。
ハードルが高いと思われがちですが、意外と低コストで気軽に始めることができます。
コーヒー豆はスーパーや専門店、ネットショップなどさまざまな場所で購入できます。
ビギナーの方は、まず挽いた豆を選ぶのがおすすめです。
酸味が好きなら浅煎り、苦味が好きなら深煎りから試してみましょう。
抽出方法も数多くありますが、初心者にはフレンチプレスをおすすめします。
特別な技術は必要なく、安定した味が出やすい上に、豆本来の風味をしっかり感じることができます。
日常にちょっとした贅沢と心のゆとりを与えてくれるコーヒー。 まずは気軽に、今日から自宅での一杯を楽しんでみましょう。