落語「初天神」のあらすじやオチを紹介!おすすめの落語家さんも。

初天神 アイキャッチ

落語の名作『初天神』は、親子の微笑ましいやり取りが魅力の、古典落語の中でも特に人気の高い演目です。
江戸時代を舞台に、父と息子の天神参りが笑いを誘い、現代にも通じる世代間の共感を呼び起こしてくれます。

この記事では、落語「初天神」の登場人物やあらすじなどを解説します。

すけさん

初天神は、筆者自身も大好きな演目です。
どのようなお話か、参考にしてみてください。

目次
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「初天神」とは?

初天神とは?

それでは、初天神の概要や歴史について紹介します。

初天神の概要

まず、初天神とは、正月の25日に天神様(菅原道真)を祀る天満宮に、その年に初めて参拝すること、あるいはその日に行われる縁日のことを指します。

落語「初天神」は、古典落語の名作の一つで、親子の会話のコミカルな展開が魅力の演目です。
後でも解説しますが、主な登場人物は、父親と駄々っ子な息子「金坊」。

父親が天神様へ参拝しに行く際、息子にねだられ、しぶしぶ息子を連れて行くことになります。
そして道中に、息子が飴玉や団子や凧など、息子が父親に物をねだるシーンが笑いを誘います。

「初天神」の歴史

「初天神」は、もともと上方落語の演目として誕生しました。
初天神の原話は、安永2年(1773年)に出版された笑話集『聞上手』の「凧」というお話です。

初天神の主な登場人物

主な登場人物

それでは、初天神の主な登場人物を紹介します。

父親(八五郎)

ちょんまげの男性

天神に参拝に行こうとする父親。
演じる噺家にもよるが、情に厚く少しおっちょこちょいな江戸っ子。
息子のおねだりに対して、あれもこれもダメだと伝えるものの、息子に甘いところがあり、最終的には要求に応えてしまう。

息子(金坊)

浴衣を着た子供

息子の金坊(きんぼう)。
無邪気で好奇心旺盛な性格。駄々っ子。
このお話では、父親と一緒に天神様に行く道中で、団子や凧などをおねだりし、父親を悩ませます。

母親

江戸時代の女性

このお話の冒頭で、息子を連れて天神様に行くように、夫を説得します。

初天神のあらすじ

あらすじ

それでは、初天神のあらすじを解説していきます。

天神様に子供と一緒に行くことになる

自宅で夫婦で話している場面から始まります。

父親

おっかぁ。羽織を用意してくれ。
天神様に行ってくる。

母親

あら、天神様?
それなら、うちの金坊も連れってておくれよ。

父親

あいつを連れて行ったら、あれ買ってくれ、これ買ってくれってうるせぇんだ。
今日は、連れてかねぇよ。

金坊

おとっつぁん羽織りなんか着てどうしたの?
あ!今日は初天神があるから、天神様に行くんだね?
一緒に連れてってよ。

父親

お前を連れてったら、あれ買ってこれ買ってってうるせぇからダメだ。

金坊

お願い!連れてっておくれよー。
今日は、あれ買ってこれ買ってって言わないから!
男と男の約束だからよー

そんなこんなで、父親は、金坊を連れて天神様へと向かうことになります。

結局おねだりをし始める金坊

金坊

今日はおねだりしてないし、いい子だったでしょ?
ご褒美ちょうだい。

父親

結局、おねだりしてるじゃねぇか

金坊

ねぇ、おとっつぁん。
飴玉買ってくれよー

父親

買わねぇ。ダメったらダメだ。

金坊

買ってくれないなら、泣いちゃうぞ…
うわぁぁぁぁーん!!!!!!

父親

わかった!わかった!
買えばいいんだろ。買えば。

こんな調子で、飴玉やお団子など、いろいろなものを買わされてしまいます。

最後に買わされたのは、凧。そして凧上げをする2人。

父親は、最後に凧を買わされてしまいます。

金坊

おとっつぁんありがとう!
凧上げしようよ!

父親

ったく、しょうがねぇなぁ。
あっちの広場へ行くか。

広場にて…

父親

最初は、おとっつぁんが手本を見せてやる。
俺が糸を持っておくから、お前は凧を持ってもっと下がってみろ。

金坊

うん!わかったー!

父親

それ!
よし!凧が上がったぞー!
見てみろ!

金坊

おとっつぁん、すごーい!
僕もやりたい!
僕にも貸してよ!

父親

うるせぇ!
お前にはまだ早ぇ!
凧上げはな、子供のするもんじゃねぇんだよ!

凧上げに夢中になる父親を見た、金坊の一言。

金坊

こんなことなら、おとっつぁんを連れてくるんじゃなかったよ。

これが、オチとなって、この話は終わります。

初天神の見どころ

初天神の見どころは、子供のおねだりに振り回される親というのは、現代にも共通していることだと思うので、笑いどころが共感しやすいところだと思います。
また、難しい内容もあまりなく、親子の掛け合いの中での笑いどころも多い演目です。

そういう点で、落語初心者の方にもおすすめの演目だと思います。

「初天神」で、おすすめの落語家

これは、あくまで筆者個人のおすすめなのですが、春風亭一之輔師匠の初天神が大好きです。

このお話に出てくる金坊は、少し大人をバカにした感じもあり、嫌味が強すぎると、子供が捻くれた印象になってしまうのですが、一之輔師匠の初天神は、父親も金坊に負けないくらい達者ですし、金坊も良い塩梅でポップに演じてくれているので、父親と金坊のやり取りをコミカルに微笑ましく見ることができます。

すけさん

YouTubeなどで検索すると、一之輔師匠の初天神を見ることができます。

まとめ

落語「初天神」は、古典落語を代表する名作です。

息子のおねだりに振り回される父親の姿は、現代の親子関係にも繋がるようなテーマであり、共感しやすい内容となっています。
また、笑いどころも多いため、落語初心者の方にもおすすめの演目です。

寄席で落語鑑賞したいと思われる方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

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